月-夏講日記(その24)

早起きが日常化していますと、朝起きたとき、空にまだ月があるってことが多いです。ぼんやりと見えていることもあります。

仕事を終えて、夜帰るときに、やはり月が見えていることがあります。講習期間中ともなりますと、日中は教室にこもっていますから、太陽を意識することが、あまりありません。その代りに、月ばかりが目立ちます。

神代の昔、月の貴子・ツクヨミは、日の貴子・アマテラスとともに、協力してこの世に君臨するはずでした。しかしながら、いつのまにか、アマテラスに比べて、ツクヨミの影が薄くなっていきました。なぜでしょうか?

おそらくは人たるものが、日中に活動し、夜間に寝ていることと、関係深いのでしょう。夜半、夢の中にある世界は、スサノオが支配する「あの世」と、およそ同じようなものだったのでしょう。

月の光に照らされた「この世」は、まさに「異界」以外の何物でもなかったのです。

人々は異界に遊び、異界を畏れ、そして異界を崇めてきたにちがいありません。月は異界へのチャンネルスイッチだったのです。

月の向こう側に、異界を見る。…帰宅する際の楽しみが、またひとつ増えました。

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親-夏講日記(その23)

「まあまあ、そんなにカッカなさいますな。血圧、上がりますよ。」

「私みたいに、降圧剤、ガリガリかじるようになると厄介です。なにぶん、ご冷静にどうぞ。」

「ご高説、拝聴いたしました。要するに、ご子息に気合いを入れると、きっと勉強するだろうと。それから、ネチネチ管理すると、きっと勉強せざるを得ないだろうと。」

「そうですね。一時の対症療法としては、有効でしょうね。恒久的な効果は、疑問符です。」

「ひとつお聞きしてよろしいでしょうか。お父様、お母様は、気合を入れられると勉強するタイプでしたか?あるいは、細かい管理教育に、唯々諾々と従った子供でしたか?」

「はい、苦笑なさいましたね。何よりも雄弁なお答えです(笑)。」

「ご自身ができなかったことは、子供さんにもできません。どんなに素晴らしい教師が教えても…です。」

「私はこんなふうに考えるんです。子供さんにとって、大目標は人生目標です。将来の希望です。多くの場合この目標は、地域や社会からインスパイアされるものです。小目標は生活目標です。早寝早起きから、毎日勉強まで、多くの場合ご家庭で躾けられるものです。」

「お父様、お母様の守備範囲は、本来ご家庭ですよね。ホームポジションに戻られて、まずは自ら始められてはどうでしょうか。」

「古より、わが国では、「親父の背中」が最強の教育者だったといいますから…。」

焦っておられるご父母と、小生の話し合いです。「うまくいかなかったらどうしよう」と思うから、人は焦ります。しかしながら、はい、大丈夫です。うまくいかねば「明日から農民」と、根性据わった小生に、耳を傾けてください。きっと得られることが、おありですよ。

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生-夏講日記(その22)

「やりたいことが、他にあるんだね。貧乏が怖いからって、本当にやりたいことを棚上げして、生業を得ようというわけだ。」

「趣味で納得できるんなら、それでもいい。しかしいつまで、我慢できるかな?」

「私は不正直が嫌いだったし、人一倍不器用だったから、やりたいことしかやってこなかった。この国は、そんな奴でも人並みの暮らしができるくらいに裕福なんだよ。」

「私に比べれば遥かに器用で、数倍賢いきみが、私と同じ生きようをする必要はない。けれど、いつかこの人生が終わるとき、良い人生だったと思えるように生きたいものだ。」

「あなたのことだ。あなたが考えればよい。いろんなアドバイスをもらって、きみは幸せ者だよ。」

誰かに引いてもらったレールを歩いて行くことが、すさまじく嫌いな正直者に語る言葉です。レールを引かれて困っている人以上に、レールを嫌がられて困っている人、あまりに安易なレールを引こうとしている人、そして自力では歩めなかったにもかかわらず、次世代には必ずできるはずだと、何の根拠もなく盲信している人々に聞いてほしいです。

始点から終点まで、不幸がスパイラルするだけのレールも、たいへん残念ながら、存在しますから。

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歩-夏講日記(その21)

「良く頑張ってきたね。入試まで、あと○ヶ月。有名上位校なら、たいがいどこでも通るよ。」

「え?最難関?あと一歩、ほんとにあと一歩だね。けど、この一歩は、ほんとうに大きな一歩なんだ。」

「どうすればいいかって?方法論やハウツーを論じてる限り、この一歩は永遠に踏み出せないね。」

「勉強時間、教材、カリキュラム…すべていっしょで良し。極端なことを言うと、とりあえず今のままでも、あと一歩は踏み出せるよ。」

「じゃあ、何が違うのだろう?ところで、普段から決意してから勉強しているかい?よっしゃ、やったろう!とか?」

「決意は立派!しかしながら、一歩踏み出すには、まるで空気を吸って呼吸するように勉強したまえ。生まれてから今日まで、決意して呼吸したことはないだろう?呼吸するように勉強するって、勉強が無意識の所作になってしまうことなんだ。」

「その一歩は、いつに変わらない一歩だけれど、不可逆で、不連続な一歩なんだ。」

「難しいかい?要するに、あなたが別人になってしまう一歩なんだよ。」

「どうだい?進むも、退くも、すべてあなた次第。自分のことは、自分で決めようね。」

せっかくここまで来たら、最難関に滑り込みたい…そんな皆さんのお悩みに、小生が答える言葉です。小さな個別指導塾から、大きな入試実績が生まれる秘密でもあると思っています。

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夏期講習好評開講中です。

本日より、8月がスタートしました。

既にどっぷり夏休みに突入している方や、学校の補講がやっと終わりいよいよ夏休みが始まる方といろいろかと思いますが、石川数学塾大阪の夏期講習はどっぷり始まっています。

おかげ様を持ちまして、既に締め切らせていただきました回も結構ございます。

受講をお考えの方は是非お急ぎくださいね。

石川数学塾大阪の夏期講習は通常授業と同じく、生徒一人ひとりの習熟度や将来の目標にあわせてカリキュラムを組んでいきます。

また、他の習い事などの都合にあわせて受講の曜日や時間帯・回数が決められますから、あなたに合うスケジュールが見つけられると思いますよ。

上本町本部教室 中土井

 

夏期講習のご案内

解-夏講日記(その20)

「たった一つの解き方しか許さないなんて、ずいぶん矮小な話だね。」

「解ける方法が正しい方法だと、私は常々思っている。正しさは、人それぞれだ。」

「それにもかかわらず、たったひとつに決めなくちゃいけないなんて、たいした異常事態だ。たった一つに決める人なんて、ヒトラーみたいなファシストだ。」

「ヒトラーが解き方あれこれ言う前に、私は現に目の前で解いてあげるよ。」

「よし!」と思ったら、真似してね。「学ぶ」こととは「真似ぶ」ことだからね。

「あなたにベストの解法が定まれば、それこそオンリーワンだよね。期待しているよ。」

「ところで、俺様の解法しか許さん!とか言った狭隘な輩は、どうしてくれようか?」

「ひょっとして、自己主張はできるけど、他人に耳を貸せない、そんな典型的な人かもしれないね。」

「可哀想な人かもしれない。猛省を促そうじゃないか。」

何のことかといいますと、「教えた解き方しか許さない」と、どこかで脅されてきた皆さんに、普段小生がかけている言葉です。

長々と聞き終わったころ、子供たちの表情が、パッと明るくなる瞬間が好きであります。

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