月-夏講日記(その24)

早起きが日常化していますと、朝起きたとき、空にまだ月があるってことが多いです。ぼんやりと見えていることもあります。

仕事を終えて、夜帰るときに、やはり月が見えていることがあります。講習期間中ともなりますと、日中は教室にこもっていますから、太陽を意識することが、あまりありません。その代りに、月ばかりが目立ちます。

神代の昔、月の貴子・ツクヨミは、日の貴子・アマテラスとともに、協力してこの世に君臨するはずでした。しかしながら、いつのまにか、アマテラスに比べて、ツクヨミの影が薄くなっていきました。なぜでしょうか?

おそらくは人たるものが、日中に活動し、夜間に寝ていることと、関係深いのでしょう。夜半、夢の中にある世界は、スサノオが支配する「あの世」と、およそ同じようなものだったのでしょう。

月の光に照らされた「この世」は、まさに「異界」以外の何物でもなかったのです。

人々は異界に遊び、異界を畏れ、そして異界を崇めてきたにちがいありません。月は異界へのチャンネルスイッチだったのです。

月の向こう側に、異界を見る。…帰宅する際の楽しみが、またひとつ増えました。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦