幻-夏講日記(その38)

秋の風を感じる早朝、いつも通りに目覚めました。寄宿生たちも、いつのまにか、私と相前後して起きるようになりました。

さっと洗顔を済ませたら、みそ汁のダシを取りはじめます。煮干しとシイタケと昆布と鰹節、ブレンド具合と煮出す時間、火加減が秘伝です。

生徒たちは、学校の時間割と宿題をチェック、制服に着替えてラジオ体操です。

今朝は寝ぼけまなこの二人ほどが、再体操を仰せつかりました。妻に鍛えられます。

大多数は甘樫丘展望台にダッシュ。大和三山に二上山、葛城・金剛が今朝も勇壮ではありませんか。

遠く箸墓まで見渡せるほど空気が澄んでいるのも、たいへん久しぶりです。飛鳥寺・安居院周辺からは、朝のかまどの煙が上がっております。

帰りがけ、道場の畑に寄って、みそ汁の具を摘んで帰ります。今朝は良い香りに色づいたシソの葉が人気でしたが、頑固にえんどう豆とか、いつもどおり大根とか、個性さまざまです。

「自分のことは自分でする」、「都会生活の便利にかまけない」、畑は道場の教戒を象徴するスポットです。

朝食を終えると、村に一つの公立小学校や、これまた村に一つの公立中学校や、橿原神宮の駅の西側の一貫校や、電車で二駅の公立高校に、それぞれ通学します。走って行く皆さんが多いです。

そうです。今日も一日が始まったのです。

…とまあ、こんなふうに、都会に疲れてしまった子供たちを、田舎で再生する鍛錬道場を造りたいのです。

毎日合宿しているようなもの…ですね。

夢は実現するためにあります。今日も一日がんばります。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦