不定期冬講日記(その8)

街宣車(…といいますと、イカツ過ぎるかもしれません)、かまびすしい昨今です。

「男」も熱心な政治活動をしていました。張り切って選挙スタッフをやりに行っていたものです。

仕事帰りに車で寄り道しては、「支持者発掘」に余念がありませんでした。

「今日はどこまで?」と聞きますと、うれしそうに返答が返ってきました。

「断層があって、山があって、山超えた尾根づたいの××寺」。

「…って、断層の向こうに車停めて、あとはケモノ道?」

「うん。卵、投げつけられた。ウチは△△党じゃ!帰れ!って」。

卵や△△党はともかく、××寺に住職がいたことが驚きでした。無住の荒寺とばかり思っていました。

「男」の政治活動って、こんなものでしたが、通いつめている間に仲良くなって、支持者名簿に名前が書き連ねられていくのも、不思議なものでした。

「男」は最後の選挙を戦ったあと、帰らぬ人となりました。分厚い名簿が残りました。

「男」の奥さんは、名簿を今でも大事にどこかに隠しています。

「急ごしらえの名刺に、選挙参謀とか書いてある人には、絶対に見せません」だそうです(笑)。

一度だけこっそり見せてもらった名簿には、理想に殉じた「男」の手垢が染みついていました。

小生は、まっすぐで一徹だった「男」が大好きでした。最後の戦いも小雪まじりの師走だったと記憶しています。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その7)

昔々のお話です。

大阪・兵庫・京都・奈良の中学入試統一解禁日がすっかり定着した昨今から慮るに、もしかすると全く想像を絶する事態だったかもしれません。

大阪・兵庫・京都の「統一初日」が3月、奈良は1月に五月雨式…という時代がありました。

正月明け早々に奈良の中学入試が始まります。日曜日ごとにきれいにバラけておりました。

前受け・本命、入り乱れて、騒乱怒涛に過ぎ去っていったものでした。

2月は戦士の休息…と思いきや、大阪・京都の統一初日までに、補欠出しまくっても入学定員を埋めてしまいたい奈良と、水面下の動きを秘かに注視する大阪・京都のせめぎあい、なんとなくザワついたまま3月を迎えます。

大阪・京都の受験終了と入学者召集・確定を受け、奈良が最後の大規模な補欠を出すため、ザワめきは3月末まで続くのです。

毎年繰り返される「激動の3ヶ月」を、今や果たして知っている業界人がどれほど残っているのか、受験日程前倒しゆえに、強気に押しまくった奈良の中学校と、それらに正面から闘いを挑んだ塾屋たち。

寒さが身に染みてくると、あの熱い日々を懐かしく思い出します。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その6)

小生、毎日、お昼のおにぎりを持ってきます。最近、具はササメに凝っています。

それほど自慢できたシロモノではありません。どれほどひいき目に見ても、明らかに不細工です。ササメも塩加減も、均一でないことがあります。ササメ密度が部分的にメシ密度を超えていたりします(^_^;)。

にぎり始めたころには、野球のボールのようにまん丸でした。いちおう三角形になりましたが、まだ愛車Zのように車高が低いです(笑)。

暇だからにぎっているわけではありません。小生の朝は忙しいです。5時起床。珈琲を挽きながら、朝刊各紙のヘッドラインをネットでチェック。トーストをつまみながら、掃除・洗濯。おにぎりをにぎって、朝シャワーして、着替えを詰め込んで、ゴミ出しして。Zに点火するのが、きっちり朝7時です。

それでも前夜にお米を研いで、炊飯器をしかけて、炊き終わったらしっかりお釜を洗って、一週間に一回は分解洗浄して…と、やたら楽しくて仕方がありません。

おにぎりがあれば、どんなに昼が忙しくても大丈夫。懇談等でない限り、片手で食べながら仕事できます。生徒諸君も片手で食べられるものは食べながら、もう一方の手で鉛筆を走らせています。小生も然りです。

美味くても不味くても、いっさいがっさい自分の責任、わかりやすくて良いです。

明日は少しだけ具を変調させて、小さめににぎってみましょうか。誰にも気づかれない密やかな楽しみがあってこそ、のっぺらぼうな毎日を避けることができるのだと思っています。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その5)

教室には「主」がおります。

「あるじ」と読みますと、小生のことです。小生は、石川数学塾大阪・学園前教室長です。

「ぬし」と読みますと、「あるじ」のような、半ば公的役職…ではありません。

教室にへばりつくように、堅忍不抜、克己勉励する生徒のことです。

多くの生徒たちが、畏敬の念を込めて、彼(彼女)を「ぬし」と呼びます。

「ぬし」は小生の間近に陣取り、小生の発するさまざまな叱咤激励をモノともせず、もちろん動ずることなどなく、黙々と課題をこなします。

小生の机に置かれていく解説順番取りのための小物など整理し、笑み、泣き、笑い…そんな様子を見ていますと、十分に授業の流れをふまえておりますが、柳に風と受け流すことも忘れません。

『遠野物語』の「ざしきわらし」を彷彿させる、かわいらしい守り神といったところでしょうか。

「ぬし」は今日も覚悟を決めて、厳しい一日を過ごします。

誰よりもすばらしい入試結果を叩きだすのが、他ならぬ自分自身=「ぬし」であることを知るのも、もうすぐ、ほぼ一か月後です。

「ぬし」くん、今日もがんばるのだよ!

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その4)

「怒号が教室に響き渡り、怠惰な学生をして粛然襟を正さしめ」たと、描写された授業があります。

このブログにも「師匠の思い出」として連載いたしました、我が師の授業です。

『退官記念論文集』に、一番弟子の先輩がお書きになりました。

師匠には遥かに及びませんが、毎日講習していますとボチボチ小生に叱られる生徒も出てきます。

小生、できなくても叱りませんが、できようとしないときには怒号を浴びせます。

悪くても叱りませんが、良くなろうとしないときには除名を宣告します。

線引きは明快です。ブレません。

学業も生活も、できようとしなければ、できるようになりませんし、良くなろうとしなければ、決して良くならないからです。

勝負は時の運、一敗地にまみれても、臥薪嘗胆、次を目指す人間になってほしい。

だから、まずは自ら、今日もあきらめずに生きていこうと思います。

生徒諸君には、私の背中についてきてほしいです。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

冬期講習開催日について

早々の冬期講習へのお申し込みありがとうございます。

ただいま先着順にて受け付けておりますが、
ご参加希望の方で、案内掲載済みの開講日の時間と合わない、
曜日が合わない等とお困りの方がおられましたら、ぜひお気軽にご相談下さい。

案内スケジュール以外でも出来る限り対応させていただきます。

詳細は直接高の原教室へお問い合わせ下さい。

高の原教室 飯尾

不定期冬講日記(その3)

不思議なことですが、小生、塾の先生をやっていて「つらい仕事だ…」と思ったことがありません。

好きな仕事を、好きなだけやっているからですね。「きらいだ…」と思えるほどに、我慢してやったことがないのです。

ですから、生徒たちにも少々奇妙に語りかけます。

「目の前にいるおじさんは、好きな勉強を好きなだけやってきた人です。好きな仕事も好きなだけやってきました」。

「好きなことを寝食忘れてするのは、あたりまえです。偉くもなんともありません」。

「きみは勉強が好きでやっているのですか?え…嫌い…?そうですね、10万人中99999人は、嫌いでしょうね」。

「でも、我慢してやっているんですね。偉いなぁ。私にはできないことをやっているあなたは、偉い人です」。

「このまま偉い大人になってください。もしかして、我慢してやっていたら、勉強を好きになるかもしれません」。

「それもまた良し。嫌いなままでも、また良し。勉強も仕事も、人生そのものですからね」。

勉強嫌いな自分に自己嫌悪だった生徒諸君、肩の荷が下りたように感じるそうです。

勉強は好きだからするものだ…って、何たる偏見、何たる妄想!

きっとたいへん勉強好きな学者さんが造り出した、大きな大きな虚塔なんでしょうね。粉砕あるのみです(笑)。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その2)

寒風に抗い、さっそうと走るフェアレディZのフロントガラスに、何やら白い小粒な物体が付着しました。

このヤマト国中(くんなか・奈良盆地で二上山が見える範囲です)にも、初雪でしょうか。

初雪とともに、毎年恒例の風邪、インフルエンザ、大流行。世間一般ではそうですね。

時流に反して(笑)、学園前教室ではパンデミックってわけでもないです。

数年前から授業中の予防マスク強制になりました。それ以来、罹患率が目に見えて減っています。

「マスクは息苦しい」などと、何かと不評ですが、健康には代えがたいですね。

今年はなんと小生が、10月末に風邪をひいてしまいました。

そんなわけで、11月から翌年2月を、マスク着用期間としています。

今年も健康な冬休みを送りたいと、切に願っています。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その2)

寒風に抗い、さっそうと走るフェアレディZのフロントガラスに、何やら白い小粒な物体が付着しました。

このヤマト国中(くんなか・奈良盆地で二上山が見える範囲です)にも、初雪でしょうか。

初雪とともに、毎年恒例の風邪、インフルエンザ、大流行。世間一般ではそうですね。

時流に反して(笑)、学園前教室ではパンデミックってわけでもないです。

数年前から授業中の予防マスク強制になりました。それ以来、罹患率が目に見えて減っています。

「マスクは息苦しい」などと、何かと不評ですが、健康には代えがたいですね。

今年はなんと小生が、10月末に風邪をひいてしまいました。

そんなわけで、11月から翌年2月を、マスク着用期間としています。

今年も健康な冬休みを送りたいと、切に願っています。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その1)

寒波がやって参りました。暴風をともなっているそうです。

冬将軍と冬講が一緒に参りました。ピッタリ一致するのも珍しいです。

「12月に入ってすぐに講習ですか?大変ですね」とか、「もう冬休み、しかも勉強、子供たちこそ大変ですね」とか、いろいろご心配をいただきます。

小生は「今年も12月到来とともに講習を開始できる喜び」に満ちております。

皆さんご承知おきいただきておりますように、冬期講習の授業は強制されたものではありません。通常授業の補完や発展的先取りのために、あるいは受験前の集中特訓のために、特別に決意して受講していただくものです。

今年も「杉浦というオッサンについて行こう」と、師走早々、結集していただいた皆さんに感謝しています。

小生今年も変わらずに頑張る所存です。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦