諭-冬講日記(26)

「試験結果、あまり良くありませんでした」と、成績表を持ってくる生徒がいます。ああだ、こうだ、ああすれば良かった、こうすれば良かったと、山ほど言い訳します。

私は最後まで聞くことにしています。聞き終わったら、最後にこう言います。

「まだまだ勉強!と、分かって良かったね。さあ、直そうか。」

生徒は、ハッと我に返ったように、再び勉強し始めます。

「子供と、どう接していいのかわからない」という親御さんが増えています。そんな親御さんに、私がお話しするエピソードです。

親御さんはきっとご家庭内で、愛情あふれる叱咤激励を、不断に継続なさっているのでしょう。ありがたいことです。

しかしながら、勉強結果に対してだけガンガンおっしゃるとなると、逆効果かもしれません。

子供さんが試験結果を、オドオドと持ってくるようになってしまいます。

勉強に限らずとも、結果が出てからあれこれ言ったところで、何も始まりません。時計の針は、逆には廻らないからです。

それよりも大切なことは、「結果ではなく、意欲を誉めること」です。

結果をはじき出すものは、何よりも意欲ですし、意欲あればこその結果でありましょう。

ダメであることは、うまくいくための無限の可能性を内包していること、その可能性を意欲に転化することが、最も素晴らしい激励なのです。

そのためには、焦りは禁物です。短期決戦は、絵に描いた餅です。

持久戦を厭わず、長期決戦を覚悟したものだけが、栄光を掴み取ることができるのです。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦