貧-春講日記(13)

「撰」ぶと「撰」ばざるとに拘らず、「貧」はつらいものです。「貧」とは、ずばり「貧乏」です。

小生に限らずとも、おおよそ好き勝手に生きている人間は貧乏です。

貧乏は憐れみを誘いますが、当事者たる貧乏人は、全く意に介していないことが多いです。

「何も盗るものがないから、泥棒も来ない」てなわけです。

子供たちは、しばしばこんな誤解をしています。

「好きなことを好きなだけやって、裕福になりたいです。」

はい、これはまちがいです。ごく一部の例外を除いて、裕福は我慢の裏返しです。辛くてもがんばり、眠くても気合一発吹き飛ばすから、その対価を得られるのです。

子供たちは、反論します。

「先生の考え方は、古いです。」

はい、これもまちがいです。経済状況が変わり、政治システムが変わり、社会構造が変わって初めて、文化情勢が変わります。人々の考え方が変わるのは、最後の最後です。

現代なる時代は、ちょうど日露戦後あたりから始まったと、小生考えております。まだ百年しか経っていません。人々の意識が変わろうはずもありません。

さりながら若い世代が、小生どものような老人たちには、思いもよらなかったような発想をすることに、興味をそそられます。

今週は、「世代間イデオロギー闘争」に興じてみたいと思います。

おっと、「イデ闘」とか言い出しますと、立派に旧世代ですね(笑)。気をつけます(笑)。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦