志-春講日記(9)

中島みゆきさんの初期のヒット曲に「時代」があります。

「こんなに悲しく」て「涙も枯れ果て」た「今」が、「きっと笑っ」て「いつか話せる」から、「くよくよしない」で「今日の風に吹かれましょう」と唄うものです。

小生が大好きなこの歌には、勉強を志す者にとって、たいへん大事な契機が含まれています。

たとえ今はできなくても、いつかできるようになることを信じること、よしんば無謀な確信であろうとも、まず信じたがゆえにできるようになること、おそらくこのことは、勉強の始まりであって、終りでもあるのではないでしょうか。

学ぶ者たちは、その言説に根拠を求めます。「なぜですか?」と聞きます。

小生は、こんなふうに答えることにしています。

きみは今日まで、生まれてから何年生きてきた?私は君の4倍以上生きてきた。4倍以上の長きにわたって、諸物を見、諸人と交わってきた。だから私を信じなさい。

断っておきますが、道端を歩いていて、見知らぬおじさんに、急にこんなことを言われたら、走って逃げてください(笑)。

小生は、こんな信頼関係を築けることを無上とし、さまざまな人間関係の中から「撰」びだしたいと思っています。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦