おおもの(1)-夏講日記

元同僚のお話です。彼も私も、まだまだどっこい、この業界におります。

彼は「神童」と言われたそうです。内申点満点で臨んだ高校入試、当然のごとく合格した県内トップ高で、彼を悲劇が襲いました。

彼は衝撃を受けました。なんと、英語の授業で、先生が英語をしゃべっていたのです。生徒たちも、あたりまえのように英語を話していました。

彼が「神童」と言われた地元の中学校では、英語の授業を英語でしたら、誰もついてこられないため、かなり気合の入った日本語発音で、英語が話されていたのでした。

彼は思いました。「ここは、日本なのか?」と。

その日から彼は、通学することをやめました。

「それでも、せっかく奈良市内に来ているのだから…」と、神仏を拝み、鹿と戯れ、楽しく過ごしたそうです。

卒業…は、したそうですが、そのあとが問題でした。(つづく)

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