福-夏講日記(その13)

七福神も、いよいよ最後のお一人です。後列中央、いかにも好々爺。福禄寿と申します。

いやはや長生きしてそうですね。それもそのはず、道教の長寿神だそうです。

なるほど道教たるもの、不老長寿の仙人となることが教理極まるところであります。福禄寿は仙人でございましょう。

「単なる長生きは無意味」とか、「健康寿命を延ばすべき」など、近ごろはやりの言説が、微塵も語られなかった古代から、人々は本当に単純に、長寿を謳歌していたのだと思います。

今日の長寿を鑑みるに、生物としての人間が寿命を延ばしてきたというよりは、科学的、社会的、その他さまざまな要請から、人間は寿命を延ばさざるをえなかったのではないでしょうか。

この状況は、果たして無条件に歓迎されたのでしょうか。甚だ疑問であります。

誤解しないでいただきたいのですが、「短命万歳!」などと言っているのではありません。むしろ長寿を言祝ぐことが、純粋な至情であった頃を懐かしみ、願いの生まれ出ずる源泉を至宝と考えているのです。

難しい話になってしまいましたね。福禄寿に〆ていただきましょう。

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