夏講日記(その16)-留め置かまし 大和魂-

初めからうまくいくことが、少ない世の中です。およそものごとは、うまくいかなかったり、うまくいきそうもなかったり…といった、かなり悲観的な展望から出発するものかもしれません。

だからこそ人は、そんな後ろ向きな時代を支えてくれた人々に、感謝の気持ちを忘れないのでしょう。

中学入試の部屋を始めたころ、生徒の皆さんに乞われて開講した夏期講習で、都合51コマ(1コマ=2.5時間の授業、ひとりあたりです)を売り上げさせていただきました。ほぼ10倍売り上げることも珍しくなくなった昨今でも、初めて講習授業を受けに来て下さった皆さんの、期待に満ちた横顔を忘れません。

勇んで始めた通常授業でも、やる気ばかりが空回りしていたようで、受講生数がずっと1人だけという曜日がありました。小生とサシの授業などと、たいへんなプレッシャーであったろうにもかかわらず、授業を受け続けてくれた生徒に、今でも感謝しています。

夏合宿も、またしかり。第1回では小6生14名、小4生2名、小生も含めて17名が、嵐のように合宿所を襲い、ガンガン勉強して、たった一泊で帰ってきただけでした。今にして思えば稚拙のそしりを免れないであろうと思いますが、「楽しかった」「気合いが入った」「お土産、ありがとう」と、懐かしく思い出していただけることが、老いてゆくわが身の支えになっています。

初めからうまくいくことなど、無いと思った方がいいでしょう。それゆえにこそ、「やる気」の蛮勇を支えてあげたいと思います。

他ならぬ私が支えていただいたことへの、ささやかなご恩返しとして。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦