夏講日記(その11)-留め置かまし 大和魂-

一瞬、何をしゃべっていたのか、わからなくなる時があります。頭が真っ白になるってやつです。

若い頃、機関銃のようにしゃべっていた頃には、本当に頻繁にありましたが、最近少なくなってきましたのは、落ち着いてしゃべるようになってきたからでしょうか。

頭が真っ白になっているばかりでは、授業が前に進みません。いつしか、そうならないように、防衛努力をし始めた小生です。

どうしたかと言いますと、直近に話していた話題を、代表的な単語で覚えておくようにしたのです。

今日の授業でもこんなことがありました。

古文を熱心に勉強していた生徒と、『平家物語』のネタ話に、源平争乱時、東大寺大仏殿が焼け落ちた話に及びました。焼け落ちと言えば戦国期にもあって、有名な松永弾正が焼き払った、松永弾正と言えば聖武陵古墳に多聞城を造った人物だが、帝陵に城塞とは…と驚くなかれ、その前には眉間寺というお寺が建っていた、眉間寺とは奇妙な名前であるが、眉間ビームを発する怪しい仏が祀られたので…と、とどまるところを知らなければ知らないほど、話が元へ戻らなくなっていくのです。

あれこれしゃべりながら、頃合いを判断するに、そもそも『平家物語』から始まったお話なので、「そうして結局、諸行無常というわけやね。焼け落ちた大仏は、祇園精舎の鐘を聞いたんだろうかね?」と、落としどころはまさにここ…です。

そもそもの話初めが、『平家物語』だったと覚えておいてよかったです。安心して元の地点に帰ることができますものね。

頭真っ白対策、皆さんのお役にたちますでしょうか。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦