春講日記(その9)-久方の光のどけき-

小生、関西の塾業界にデビューしたのは、某大手塾の春期講習会からでした。

一生懸命に授業した日々を、懐かしく思い出します。あれからもう、三十年です。

本社勤めから現場デビューしたての、若いボスが仕切っていた教室でした。同期の同僚も、二人いました。

「叱る」と「怒る」の区別ができずに、しっかり仕込まれました。宿題チェックした生徒のノートに、気の利いた一言が書けず、ずいぶん悩みました。

あの時に鍛えてもらった「ありがたさ」が、身にしみる歳になりました。

もがくほどに泥沼だった時期がありました。特に春は鬼門でした。

受験生送り出してすぐの春講こそ要注意。無意識のうちに、最高到達形に至った先輩受験生と、まだ半分逃げ腰の後輩受験生を比べてしまいます。

「なんや、こんなもんも、できんのか!」

冷静に考えましたら、一年前の先輩受験生も、やっぱりできなかったにちがいありません。

「人はできないから勉強する」と、毎年戒められる春でした。

たった一つで良いですから、何か願いがかなうのでしたら、まるで眠るようにすやすやと、心地よく勉強してみたいものだと、きっと誰もが思っている、そんなうららかな春の講習が、小生は大好きです。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦