夏講日記(その4)-留め置かまし 大和魂-

松陰先生を語り出したら止まらない杉浦…と、その通りですので、自止めしたいと思います。

留め置かまし云々と偉そうなことが言えますのも、健康に齢(よわい)を重ねてこそですね。

小生、あいかわらず、てくてく歩いております。「あいかわらず」どころか、いよいよもって、目的が歩くことに特化されてきたように思えます。

二か月ほど前のウォーキング記録から。

「明日香村野口駐車場→明日香村豊浦(とゆら)→孝元(こうげん)・剣池嶋上(つるぎいけしまのかみ)陵→近鉄橿原神宮駅→宣化(せんか)・鳥屋(とりや)ミサンザイ古墳→新沢(にいざわ)千塚→白橿ニュータウン→小谷古墳→沼山古墳→近鉄岡寺駅→五条野丸山(ごじょうのまるやま)古墳→明日香村野口駐車場」(歩き続けて7時間)

剣池嶋上陵…は、円墳が三つ集まっただけであります。前方後円墳ではありません。小谷古墳はお見事なほど大きな石室でして、斉明陵に誤解されていたこともあるとうなずけます。沼山古墳で勢い余って竹藪の奥にずんずん進んで行ってしまいまして、ムカデに大きな羽が生えたような不思議な生き物に、左手人差し指の先を喰われた…ことを、やっと思い出しました。小生の患部が、何の病気でもなく、単なる虫刺されだったとは、トホホです。

一昨日のウォーキング記録から。

「明日香村野口駐車場→立部(たてべ)集落→(朝風峠を目指したはずが何故か)祝戸(いわいど)展望台→石舞台古墳→伝飛鳥板葺宮(あすかいたぶきのみや)跡→飛鳥苑池跡→水落(みずおち)遺跡→石神(いしがみ)遺跡→大官大寺(だいかんだいじ)跡→(香具山をかすめて)推定紀寺跡→藤原京・元薬師寺跡→(飛鳥川沿いに上って)伝小墾田宮(おはりだのみや)・古宮土壇→甘樫丘→菖蒲池(しょうぶいけ)古墳→小山田舒明陵か?→明日香村野口駐車場」(歩き続けて6時間)

不思議なことですが、回を重ねるごとに、なぜ私は歩いているのだろうという自問が、どんどんトーンダウンして、目前に道があるからだという自答が、どんどん輻輳されていくのです。

健康になれば、結果オーライ。おそらく歩き続けるであろう小生です。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

夏講日記(その3)-留め置かまし 大和魂-

「身はたとひ 武蔵の野辺(のべ)に 朽(く)ちぬとも 留め置かまし 大和魂」

我が心の師・松陰先生は、安政の大獄にて、罪無く処刑される前日に、遺書『留魂録』(りゅうこんろく)を書き上げました。

同一内容で二部書かれたそうです。一部無くなっても、もう一部伝世するよう…、カーボン紙など無かった時代に、ましてやコピー機など無かった時代に、いやあっても獄中ではきっと使えなかったであろう時代に、松陰先生、おおいに慎重でいらっしゃいました。

夏講日記の副題を、冒頭の辞世からいただきました。『留魂録』のに書かれたものです。

我が刑死体が処刑場にさらされ、腐り果てていこうとも、たとえ肉体が滅ぼうが、我が大和魂は留め置きたいものだなぁと。

ご自身の死にもかかわらず、まるで他人事のように美しい、松陰先生ワールドであります。

「死して不朽(ふきゅう)の見込みあらば、いつでも死ぬべし。生きて大業(たいぎょう)の見込みあらば、いつでも生くべし。」

「死は好むべきにも非(あら)ず、亦(また)悪(にくむ)むべきにも非ず、道尽き心安んずる、便(すなわ)ち是れ死所。」

ともに高杉(晋作)宛ての書簡です。

「難しいなあ…。要するに、ダラダラ生きて老衰で死ぬな、生きる価値があってこそ生きよ…そういうこと?」

と、大人びた生徒に、しばしば聞かれます。

「そうだよ。生きるべき生(せい)を生き、死ぬべき死(し)を死になさい。先生はそう言ってらっしゃるんだね。」

もしも、もしも、激烈なる生を、何かのまちがえで長生きされてしまったら、子供たちに微笑みながら昔日を語る、松陰先生に出会えたかもしれません。出会ってみたかったです。

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学園前教室・杉浦

夏講日記(その2)-留め置かまし 大和魂-

我が心の師・吉田松陰先生について語るとき、いずれも「人後に落ちず」と自負する面々が集まると、遺書「留魂録」のどのフレーズが好きか?ってな、マニアな議論になります。

諸説紛々ののち、落ち着きどころが決まってここです。

「今日死を決するの安心(あんじん)は四時(しいじ)の順環に於(お)いて得る所あり。蓋(けだ)し彼(か)の禾稼(かか)を見るに、春種(たねまき)し、夏苗(なえうえ)し、秋刈(か)り、冬蔵(ぞう)す。秋冬に至れば人皆其の歳功(さいこう)の成るを悦(よろこ)び、酒を造り、醴(れい)を為(つく)り、村野歓謦あり。未(いま)だ曾(かつ)て西成(せいせい)に臨(のぞ)んで歳功(さいこう)の終るを哀しむものを聞かず。」

…人生は、四季のようなものだと。収穫の秋と、秋に次ぐ冬を、人々は喜ぶ。人生の秋冬だけを、悲しむ必要があろうか…と。

罪無くして処刑される、まさに前日に、なんと清々しい理屈でありましょうか。小生のような凡人には、およそ真似できません。

何歳にして四季を終ろうとも、長い、短いの人生ではなく、中身の濃い一生でありたいと。

「義卿(ぎけい)三十、四時巳(すで)に備はる、亦(また)秀で亦実る、その秕(しいな)たるとその粟(ぞく)たると吾が知る所に非(あら)ず。もし同志の士その微衷(びちゅう)を憐(あわれ)み継紹(けいしょう)の人あらば、乃(すなわ)ち後来(ごらい)の種子(しゅし)未(いま)だ絶えず、自ら禾稼(かか)の有年(ゆうねん)に恥(は)ぢざるなり。」

種子が物理的に実ろうが実らまいが、存念は世代を超えて継承される。それゆえにこそ、人生有意義であると。

もはや澄みきった美しさと言わずして、何と形容されましょうか。書物を介してのみですが、我が心の師に出会えて本当に良かったと、天に感謝したいです。

いささか尊大にはあれど、願わくは小生の背中に四時(しいじ)を透かし、種子を継紹(けいしょう)せんとする人あらんことを。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

夏講日記(その1)-留め置かまし 大和魂-

いきなりですが、我が心の師・吉田松陰先生が怒っておられます。

「其(そ)の分れる所は、僕は忠義(ちゅうぎ)をする積(つも)り、諸友(しょゆう・松陰先生が弟子に呼びかける言葉)は功業(こうぎょう)をなす積り。さりながら人々各々(おのおの)長ずる所あり、諸友を不可とするには非ず。尤(もっと)も功業をなす積りの人は、天下皆(みな)是(こ)れ。忠義をなす積りは、唯(た)だ吾(わ)が同志数人のみ。」

時は幕末、尊皇・攘夷・倒幕運動、最前線基地の観を呈した松下村塾で、先頭切って走っておられたのは、師匠であった松陰先生でした。

「我が忠義に殉じる者が、同志数人とは情けない。憂き世に媚びへつらい、多数派に付和雷同するとは何事か!恥を知れ!」

…と、弟子たちに激怒されているのです。

松陰先生にとって、今こそ時節到来と。しかしながら、高杉(晋作)や久坂(玄瑞)、桂(小五郎)にとっては、単なる跳ね上がり、冒険主義にしか見えませんでした。

小生観ずるに、松陰先生の偉いところは、単なる糾弾闘争を弟子たちに仕掛けたわけでなく、皮肉交じりではありますが、「諸友を不可とするには非ず」と、生き直す道を示唆したところでしょうか。

松陰先生のお言葉は、このように常に激烈です。激烈ではありますが、どこか慈愛に満ちた優しい語りかけを内包しています。

これを自戒の言葉とし、本日から夏講を開始します。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

7/15より夏期講習が始まります。

7月にしては過ごし易い今年の夏ですが、朝夕や日中の温度差が激しいので体調を崩しやすいですから、お気をつけください。

 

さて今年もいよいよ始まりますよ。夏期講習。

 

7/15()8/31()まで、「自由選択型個別」やら「パック授業」やら「山小屋」やら「各教室の独自日程」やら盛りだくさんです。

1学期(前期)の振り返りや次の学期に向けた先取りはもちろんのこと、この機会だから気になる単元や苦手な単元の克服などに取り組んではいかがですか?

 

石川数学塾大阪の夏期講習は通常授業と同じく、生徒一人ひとりの習熟度やスケジュールに合わせて、カリキュラムの内容や受講の日時・回数が決められます。

 

いまはまだ席に余裕がありますが、すぐに埋まってしまうかもしれません。

昔から「善は急げ」っています。最近では「いつやるの?今でしょう!」()。思い立ったら即行動。

 

みなさんのご参加をお待ちしています。

上本町 中土井

大阪通信 Vol.65 配布開始しました -夏期講習の決意表明&お誘い状です

大阪通信 Vol.65 配布開始しました。「夏期講習の決意表明&お誘い状」、夏期講習前最後の大阪通信ですね。少し覗いてみましょう。

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正直言って「生き残れるだろうか?」と今年も思う。18や19(歳)の頃(いわゆる「夏期講習」を始めた頃)よりも、明らかに体力減退している。努力の結果、少なからず実績を残せたことも事実である。しかし実績を飯のタネにし始めたら、この業界を去る日も近い。気力は実績に反比例する。気力でカバーしていたものを、今や人々は幻視するからである。真実は誰が語っても真実である。私が語らなければならないわけではない。考えれば考えるほど、老いぼれていく。もはや隠しようがないのかもしれない。

しかしながら、語り残したことがある。まだまだ語らねばならぬことがある。「聞きたい」という者たちがいる。聞かせずに終わるわけにはいかない。若者にとっては他愛もないことに、苦しんでいるかもしれない。隠しようもないし、隠すつもりもない。苦しんでいる私を見てほしいと思う。どれだけ苦しもうが、譲れない一線がある。

我が理想は時代に逆行しているかもしれない。苦しみは少なく、得るものは多く、オシャレに、スマートに…敢えて、この道を歩みたくないと思う。苦しんで得たものは一生忘れない。誰かに与えられたものは、しょせん一時しのぎだ。喉もと過ぎて、熱さを忘れるだけだ。およそ得るものなどない。時代遅れ上等!我が目の黒いうちは、ここは「昭和」の塾だ。「大正」でも「明治」でもよい、いっそのこと(吉田松陰先生さえ許してくれるなら)「松下村塾」で結構だ。

熱く語れる季節がやってきた。真夏日も熱帯夜も、ウェルカムだ。語り、悩み、苦しみ、脳が汗をかいた時、人生の至宝が生まれる。だからこそ耐えようではないか。奮おうではないか。同志諸君、今年も君たちの一言を待っている。「すばらしい夏を、ありがとう」と。その時、初めて、老師は心安らぎ、来期を期すのだ。今期も君たちの熱意を待っている。老師は命を賭け、きっと成果を上げて見せようぞ。長く戦場を駆け抜けた人生の、総決算を期するが如くに!
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はい、気合いみなぎっております。皆さん遅れずに、ついてきてくださいね!

大阪通信 Vol.65、石川数学塾大阪・学園前教室にて好評配布中です。ご自由にお持ちください。

なお、中入倉庫に大阪通信のバックナンバーが揃っています。今週の 大阪通信 Vol.65も、既に収納してあります。過去記事検索にも、お使いになってくださいね。

石川数学塾大阪
学園前教室長・杉浦

【学園前・大学入試の部屋・桜木】同志募集!

こんにちは,「大学入試の部屋」の担当:桜木です。

「大学入試の部屋」の担当者になってから,はや一年が過ぎました。立ち上げた当初は,指導する生徒がたった一人だけで,席が多く余り,小部屋にもかかわらず部屋の広さを異様に大きく感じていました。しかし,日に日に生徒の数が増え,今や生徒の数に対して,部屋が狭く,席が満ちている様に感じられます。これもひとえに生徒や保護者の皆様からの御好評を頂いた結果だと考えております。本当に有り難うございます。

そこでこの際,大学入試の部屋の指導体制を更に拡充・強化致したいとの考えに至りました。現在,学園前教室( TEL 0742-41-5512 )では,生徒に対して分かり易く丁寧に,そして熱心に教えて下さる個別指導講師を募集しています。

経歴は問いませんが,高校数学を指導できる方を求めています。 物理,化学を指導できますと,尚,宜しいです。生徒達の日々成長する姿,育っていく姿,伸びていく姿を温かく,長い目で見守って下さる方,そしてゆくゆくは生徒達が志望校に合格をした瞬間を心より喜んでくださる皆さん,応募をお待ちしています。

自分の手で勉強を通じて,人を育てていく事,伸ばしていく事に興味がある方,是非とも力を貸して下さい。達成した喜びを共有しましょう!

※その他の詳細事項については,TEL 0742-41-5512 まで直接問い合わせて下さい。

桜木 龍

大阪通信 Vol.64 配布開始しました -楽しみな夏期講習(その3)です

大阪通信 Vol.64 配布開始しました。「楽しみな夏期講習を迎えるにあたって(その3)」、三週連続で、夏講直前のQ&A集ですね。少し覗いてみましょう。

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Q.「まぶたが…重いです。目が開きません。やる気は、あるんですが、羊が千匹くらい、目の前を乱舞しています…。どうしたら、良いでしょう?」

A.「あたりまえですが、パッチリ起きましょう。今寝ても、夜寝られなくなるだけです。昼と夜が逆転するだけです。無益です。え、どうしたら起きられるか、ですって?よく聞いてください。まず椅子を取ります。取ったら遠くの壁に、立てかけておきます。床に膝立ちしてください。膝から足首までと、膝以上の上半身が、直角をなすように立ちます。このまま勉強するのです。膝が痛くなってきます。腰も痛くなってきます。痛みのあまり、目が覚めます。十分に目覚めたら、椅子を戻してもいいですよ。これでもう大丈夫と思いますが、それでも眠くなったら椅子に正座します。足がシビレて、しんどくなるくらいがよろしい。それでもだめなら最終兵器、なんと机に正座します。こらこら、眠っちゃだめですよ。まっさかさまに落下しますからね。実際に落下したことがある先輩がいらっしゃいます。うううおぉ~!という絶叫と共に落下し、きっと痛いであろうにもかかわらず、平然と何事もなかったかのように勉強し続けた根性人です。きっと今年も、すばらしい根性、いかんなく発揮してくれるにちがいありません。」
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ウソのようなホントの話です。是非一度、お読みになってください。

大阪通信 Vol.64、石川数学塾大阪・学園前教室にて好評配布中です。ご自由にお持ちください。

なお、中入倉庫に大阪通信のバックナンバーが揃っています。今週の 大阪通信 Vol.64も、既に収納してあります。過去記事検索にも、お使いになってくださいね。

石川数学塾大阪
学園前教室長・杉浦

夏至

本日は二十四節気のひとつ、夏至になります。
この日は、太陽高度がいちばん高く、一年で最も日照時間が長いとされています。

太陽からのエネルギーを最も多く得られるこの日が、一年の中で最も暑い日に
なりそうなものですが、実際は1~2ヶ月ほど遅れてやって来ます。

それはなぜでしょう?

太陽光がまず地面を温め、次いで地面が大気を温める
ことによって気温が上がって行きます。
この様に熱の伝達には時間がかかるため、
太陽高度が最も高い夏至より遅れて最高気温が出現します。
また、この時期は梅雨でもあり実質の日照時間が短いことも多分に影響あるでしょう。

このことから得られる教訓は、
「今すぐには成果が出なくとも、粘り強く努力すると結果は報われる。」
ことではないでしょうか?
なにも勉強のことだけでは無く、全てのことにおいて当てはまることだと思います。

今、一生懸命頑張っているけれど、思うような成果の出ない方は、
まだ地面を温めている最中なのかも知れませんね。

高の原教室 飯尾

大阪通信 Vol.63 配布開始しました -楽しみな夏期講習(その2)です

大阪通信 Vol.63 配布開始しました。「楽しみな夏期講習を迎えるにあたって(その2)」、先週に引き続いて、夏講直前のQ&A集ですね。少し覗いてみましょう。

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Q. 「ヘビーユーザー割引、待ってました!」

A. 「ご利用ありがとうございます。費用安心ネット・ヘビーユーザー割引、今年も健在です。私って、ヘビーユーザーに該当しますか?というご質問を、たくさんいただいております。そこでベストアンサー。題して”一目でわかるヘビーユーザー判別式”です。まずは<スケジュール&お申込み用紙>の受講回数を正確に書き込みましょう。部屋・小部屋・割込の合計受講数が39回以上の方、部屋・小部屋・割込の合計費用を3%減じます。78回以上の方、5%減じます。105回以上の方、8%減じます。割引割合が歴代消費税率といっしょですね。あくまでも偶然にすぎません…。受講費用が青天井であることを、長い間心苦しく思ってきました。これで少しは罪滅ぼしできそうです。ささやかなものかもしれませんが…。大阪通信 Vol.57 では、最高割引率8%の受講回数を117回と書きましたが、そもそも全コマカウントしても110回ですし、通常授業時間帯や特講時間帯はカウントできませんし、全くもって珍妙な数字を提示してしまいました…と反省いたしております。謹んで訂正いたします。」
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なんだかお得な話のようです。割引条件が緩和されたようですし…。知って得する大阪通信、知らなきゃ損する大阪通信。是非一度、お読みになってください。

大阪通信 Vol.63、石川数学塾大阪・学園前教室にて好評配布中です。ご自由にお持ちください。

なお、中入倉庫に大阪通信のバックナンバーが揃っています。今週の 大阪通信 Vol.63も、既に収納してあります。過去記事検索にも、お使いになってくださいね。

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