神-冬講日記(27)

新春早々、神様談義を楽しんでまいりました。

「天孫降臨は、垂直神話の典型でして、大陸系の神様のありようなんです。たとえば新羅の始祖王の生誕説話に、大きな鳥が飛んできて、卵を産み落としていった。そこから皇統が始まった、なんてものがあります」。

「それにも拘らず、日本神話の神様には、南洋系の水平神話もたくさん取り入れられています。オオナムチ(オオクニヌシのことです)と共に葦原中つ国を造ったスクナビコナ(一寸法師のモデルです)は、海の彼方からやってきたとか」。

「倭国の神様と言えば、イザナギ・イザナミから三貴子(アマテラス・ツクヨミ・スザノオ)が、メインストリームと思われがちですが、違うんじゃないかと思うのです。『古事記』(上巻)冒頭に曰く、アメノミナカヌシ(ド真ん中)・カンムスビ(天上神の創造神)・タカミムスビ(地上神の創造神)…ではないのかと」。

「伊勢神宮が本来祀っていました神は、タカミムスビだろうと考えられます。式年遷宮の時に、床下を剥がしますと、木が一本立て差してある…これこそが、タカギノカミ、すなわちタカミムスビであろうと」。

議論は果てることなく延々と続きまして、たいへん楽しいひとときを過ごせました。

石川数学塾大阪
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