夢-冬講日記(5)

真夜中に見た夢は、さっさと忘れますが、明け方に見た夢は、けっこう覚えています。

最近よく見る夢です。

段築、葺石も鮮やかな、できたてホヤホヤの箸墓に、オウがたたずんでいます。オウは真紅のマントを羽織っています。

オウは前王・卑弥呼をたたえ、王位継承を宣言し、連合王国に栄えあれ!と叫びます。

人々は歓声をもって迎えます。

脇侍二人のオウが、交互に進みます。

向かって左のオウは、マントを直弧紋で染め上げ、特殊壺を掲げて進み出ます。

吉備を統めるオウであること、連合王国を支えることを、自ら人々に誓います。

人々はより多くの歓声に包まれます。

向かって右のオウは、マントを水銀朱に染め上げ、S字口縁壺を掲げて進み出ます。

尾張を統めるオウであること、吉備のオウと同じく連合王国を支えることを、自ら人々に誓います。

人々の拍手喝さいが鳴りやまない刹那、夢から覚めるのです。

おそらくは三世紀中ごろ、卑弥呼のあとを襲った「男弟」の即位式の模様なのでしょう。

卑弥呼は狗奴国と闘い戦死し、軍事的に勝利した狗奴国が、邪馬台国連合に参入した直後と思われます。

初期ヤマト王権の大王たちは、昼寝して見た夢に神の啓示をはかり取ったと言います。

小生が見る夢には、何かが隠されているのでしょうか。謎が深まります。

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雪-冬講日記(4)

北国は吹雪だったそうです。

奈良では雨でした。吹雪の「ふ」の字も、無かったですね。

雪といいますと、冬講期間中、何よりも第一に、雪は恐怖です。

大雪で交通機関が混乱、入試も混乱。…悪夢のシナリオです。入試にあらずとも、小生が出勤不能に。…悪夢パート2です。

夜半に雪の予報でしたら、雪が降り出す前に出勤してしまいます。出勤時間が午前3時なんて、なかなか素敵なことです(笑)。

入試の朝に大雪予報。…もはや神仏にすがるしかありません。ですから、前日の授業を早く切り上げて、「はい、今日の宿題は、これからすぐに試験場付近のネグラを探すこと。今晩、一泊しなさい。明日は大雪です。転がってでも、這ってでも、試験場にたどりつくのですよ。がんばりなさい!」と。

猛威でさえなければ、雪は憧憬です。古い記憶の片鱗です。

粉雪をかき分けて歩きたかったり、雪だるまとにらめっこしたかったり。なぜか雪には、ノスタルジーが似合います。

奈良に雪が降るときは、まず震え上がるほどに底冷えします。次にシンシンと、ひたすら静かに降り続きます。いつの間にか降りやみますと、なぜか奇妙に温かく感じます。雪で造ったカマクラも、中はとても暖かいですものね。

今年は降るのでしょか。降るのでしたら、どんなふうに降るのでしょうか。今から楽しみです。


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冬期講習開催日時について

奈良・高の原教室の飯尾です。

早々の冬期講習へのお申し込み、お問い合わせありがとうございます。
開催日時について、幾つかお知らせさせていただきます。
 
当教室の今回の講習は、休塾日の日曜日(12/25、1/8)、
年末年始(12/28、29、30、1/3)も特別に開講しております。

また、時間帯は、夜の部は通常授業に混ざって受けて頂く形になりますので、
比較的空いている、午前の部、午後の部の方を強くお勧めします。

空き状況、お問い合わせは当教室までどうぞ。

髭-冬講日記(3)

口髭を生やしております。鼻の下にモサモサさせております。

昔は熊髭でした。顔一面に生えておりました。

無精髭から始まったのです。意図的に生やしたのではありませんでした。気がついたらビッチリ生えていました。

ボリビアの山中でゲリラ活動するチェ・ゲバラみたいだ…と、悦に入っておりましたら、せいぜいカストロ(元キューバ国家評議会議長)程度と揶揄されました。トホホであります(笑)。

ちなみに、ゲバラはカストロの同志であり部下であったはずですが、「国境を超える革命」のゲバラはカッコイイけれど、何かと優柔不断なカストロはカッコ悪いと、皆一様に感じておりました。

そうこうしているうちに、ある日突然、学問の師匠からとどめを刺されました。ちょっと勉強をサボっておりましたら、「教育学徒が髭とは何事か!ええい、けがらわしい!剃ってこい!」と、なんと髭が叱られました(笑)。

そんなわけで髭面積が縮小され、熊→鼻の下となったわけです。

あいかわらず「わしってダンディ?」と誤解しておりましたところ、やれ「カイゼル」だの、「ヒトラー」だのと、散々に不評でした。ドイツ皇帝でも、第三帝国の独裁者でもないつもりでしたが、たしかに鏡を見てみますと、良くてチャップリンかな?…と。

しかしながら、ライターから引火して燃え細っていく以外、何の手入れもされなかった髭が(そもそも「引火」が「手入れ」かと(笑))、剃り揃えられるようになったのは大進歩でした。

こうして今に至っております。

髭にも歴史がございます。ささやかな歴史ではありますが…。

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猫-冬講日記(2)

「よう!元気かい?」

いつもどおり呼びかけますが、いつも通りにらみ返してきます。あいかわらず愛想がありません(笑)。

「今日も畑番かいな。誰か荒しに来るのかい?」

あんたにゃあ、関係ないだろにゃあ…と、つれない表情です。

「Hey!、ペルシャ!いつもにまして、毛並みが良いじゃん!」

なんだかペルシャ猫みたいな「ペルシャ嬢」、少しうれしそうです。

「Oh!、タイガー!そんなに怖い顔するなよ!」

シマシマ模様で尻尾が長い「タイガーくん」、今日も道路のド真ん中に座って、近づいてくる小生を威嚇しています。

何とも人なつっこい猫たちでして、小生が無視して通り過ぎようとしますと、尻尾を立ててすり寄ってくるのです。

出勤が午後イチで良い日、朝から那羅山の奥地を歩いています。なじみの猫が、どんどん増えていきます。

初見では、なんとなくぎこちなかった猫と小生も、毎朝語りかけているうちに、いつのまにかうちとけていきます。

猫の世界も人の世界も、変わらない日常が、そこにはあるのでしょう。

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恋-冬講日記(1)

恋-冬講日記(1)【2016/12/01(Thu)-01/】

恋ひ恋ひて 逢(あ)へる時だに 愛(うるは)しき 言尽(ことつく)してよ 長くと思はば

「恋」と書いてバッチリだったはずの書き取りが、いつのまにか「変」になっており…。

「そりゃあ、たしかに「変」にもなるわな。熱い「恋」なんやろね」…なんぞと、藪から棒に突っ込まれ、恥ずかしいやら、辛いやら。

「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花…と、「変」になりそうな「恋」も、冷めてみたら、存外たいしたものでもないかも」…と、こんどは冷静にあしらわれ、恥ずかしさも倍増、辛さも三倍増。

思わず笑ってしまうような、書き取り誤記一問、そんな小さなきっかけからも、無限の宇宙が広がっていそうで…。

小生も例外たりえず、授業することが好きな「教え人」とは、いつの時代もこんなものです。

冒頭、恋の万葉歌人といわれる大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)からです。

恋しい恋しいと想い続けて、やっと逢えるようになった時にさえも、愛情に満ちた美しい言葉を尽くしてほしいのよ、この恋が長く続いてほしいと思っていらっしゃるのなら…。

万葉ファン某紳士曰く、思わず守ってあげたくなってしまいそうな坂上郎女、好印象です…と。

同じく万葉ファン、こちらは某淑女曰く、いかにも甘え上手、好きになれません…と。

甲論乙駁、さもありなん。さりながら、色恋にあらずとも、好きなことに語り尽くしたいと、極めて自然な立ち行きではありますまいか。

小生、授業することに恋した「教え人」であります。ですからこの冬も「言尽くし」たいと思っています。

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