今週より新学期ですね。

桜の便りが届いたかと思えば、一気に満開。かと思えば今度は春の強風であっという間に散ってしまいそうです。今年もお花見は無理なのでしょうか。う~ん。

 

話は変わりますが、今週よりいよいよ待ちに待った()新年度・新学期ですね。

進級したみなさんは春休みの課題大丈夫ですよね?

進学したみなさんは新しい学校、新しいクラス、新しい友達。楽しみですね。

 

石川数学塾大阪でも春期講習が終わり、新しい仲間がどんどん増えています。

 

春期講習に興味はあったけど参加し損なったみなさん、新学期のスタートに塾を探しているみなさん、無料体験が開催中ですよ。

考えているだけでは何も始まりません。まずは行動。石川数学塾大阪ってどんなところか見に来てください。

 

今までわかっているつもりでなかなか解けかった問題や、イマイチよく解らなかった定理や公式の使い方が驚くほどスッキリ解決できることうけあいです。

また、どうやって勉強したらいいのかわからないっていうあなたにも、懇切・丁寧にアドバイスいたします。

是非、振るってご参加ください。

上本町教室 中土井

春講日記(その21)-久方の光のどけき-

青年の視線の先に、柔らかな指先がありました。

指先が不思議な弧を描いていました。じっと凝視していましたら、目が回りそうになりました。

王将で買ってきた焼餃子をつまみながら、同じく王将でテイクアウトしたチューハイをグイグイ飲んでいました。

川面を照らす夕日が、とてつもなく美しくもあり、なんとなく寂しくもあり。

指先に触れてみると、体が斜めに倒れかかりました。長い髪がふわっと顔を覆いました。

『パンの略取』が気に入らないと、いや、クロポトキンそのものがナンセンスだと、再び強く主張し始めたとき…

「ボル(ボルシェビスト)って、かた苦しいわね。意固地で、いつも虚勢張って」。

全人格を否定されたようで、思わず崩れ落ちました。

色恋に不器用な青年と、アナーキズム命な女性が、鴨川の岸辺に寄り添いました。

まだ肌寒い早春の京都、淡い四月の淡い二人が、膝まくらしながら、されながら…。

桜散る淡い季節の、淡い淡い思い出です。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

春講日記(その20)-久方の光のどけき-

ため息をついていた生徒がいました。登場していきなりのため息でしたから、勉強がしんどくなったわけではなかろうと思います。

「どうしたん?気合い入れたるでぇ。」

ちょっと低い声が、小生からかけられます。

「明日から学校です。気が重いです。」

正直でいいですね。しかし塾だろうが学校だろうが、勉強やる気が足らないようでは困ります。

「何で気が重いのかな?」

この問いには正直こたえるとマズい、生徒はとっさに思ったにちがいありません。

「始業式がつらいです。立ってなきゃいけないし。」

しめしめ、うまく収めたったわいと、胸をなでおろす声が聞こえるようです。

「勉強のつらさに比べれば、始業式の一つや二つ、ど~ってことないわいなぁ。」

え?そうくるか?ド真ん中ストライクやんけ。まずい…(^_^;)。

「そうですよね。勉強以前の問題ですよね。僕がまちがっていました。気合を入れ直します。」

生徒はわき目もふらずに勉強し始めました。

ほんの30秒のやり取りでしたが、思惑あいせめぎあい、楽しい枕でした。

今日も一日がんばりましょう!

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

春講日記(その19)-久方の光のどけき-

数年ぶりに…腰を「ゆわし」てしまいました。

春講に入ってから、朝のウォーキングができてないし、週末の天気が悪いから、普段の日曜に比べて長い距離歩けないし、まずい状況だ…とは思っていましたので、重々注意していたつもりだったのですが、ビリビリっときてしまいました。

腹巻コルセットのお世話になっております。

コルセットといえば「患部に巻く」ものと誤解されている方が多いようです。私も十数年前まで誤解しておりました。

お医者様に教えていただきましたところ、「腹圧を調整して、こわばった腰の筋肉が徐々にほぐれるまでのサポート器具」なのだそうです。ですからズボンベルトの上が定位置であると。

しばらくは鎮痛消炎剤と筋肉弛緩剤を飲みながら、癒える日を待ちます。

そもそも今回の事態ですが、「塾屋を続ける限り諦めている」と言っていた花見に、秘かに出撃しようとヨコシマなことを考えたことから始まったようです。

春の長雨と腰痛に祟られて、花見は爆砕でした。

旧暦二月、如月(きさらぎ)の望月(もちづき)に考えるこっちゃないで!と、西行法師に叱られた気分です(^_^)。

願はくは 花の下にて 春死なん そのきさらぎの 望月のころ

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

春講日記(その18)-久方の光のどけき-

ウソをついたものは坊主刈り、杉浦部屋のルールその1です。泣く子も黙る、恐怖の掟…だそうです。

実はそんなにたいそうなものではありません。できることを正直にできると言い、できないことを正直にできないと言うことが、できないことをできるようになるためのキホンのキ…だと言っているだけです。

できることをできないと言って、無益な時間を過ごすことも、できないことをできると言って、できるようになる機会を失うことも、愚かだと言っているのです。

正直に勝る勉強姿勢はありません。正直になるためには、徹底的にウソを排することが大切です。勉強空間を共有する誰もが、同様に理解すべきことです。小生も例外ではありません。ウソをついたら潔く坊主刈りになります。

しみじみと「不思議なことだ」と語る生徒がいます。何が「不思議」なのかといいますと…。

できなくて叱られることがありません。そのかわり、できようとしなければ烈火のごとく叱られます。

わからなくても何度でも説明してもらえます。しかし、わかろうとしなければ、備品が宙を舞って襲いかかることがあります。うまく避けてくださいね。

世の中には、できなくて叱られる塾も、わからなくて叱られる塾も、掃いて捨てるほどあるのだそうです。

少し待ってください。あたりまえのことですが、叱られたからと言って、できるようになるのでもありませんし、わかるようになるのでもないでしょう。

「まず叱る」のは、まちがいです。けれども「永遠に叱らない」のもまちがいです。永遠にできないのは、できようとしていないからです。永遠にわからないのは、わかろうとしていないからです。

しまった!生きまちがえていた…という皆さん。四の五の言う前に、単刀直入、快刀乱麻、スカッと夏らしい髪型になって出直しなさい。

正直のすばらしさが、身にしみてわかること請け合いです。今日も一日、がんばりましょう!

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

春講日記(その17)-久方の光のどけき-

ご存知の方も多いと思いますが、小生週末婚しております。妻は故郷で学校教師をしておりまして、週末土曜・日曜になりますと、一緒に暮らしております。小生が実家に帰ることが25%程度、妻が奈良に来てくれますのが75%くらいです。

「平日忙しいのは両者同条件、なんで私ばかり、奈良に行かなきゃいけないの?」

と、怒っている妻を見たことがありません。小生が「今週末は、西殿塚古墳がワシを呼んでいる」などとウスラトボケテいましても、「よしよし」と、妻がきてくれます。感謝しています。

土曜の仕事を終えて帰宅しますと、お風呂や床やトイレやベランダが、ピカピカになっています。普段教室の掃除を欠かしたことはありませんが、こと自室のこととなると「汚くて死んだ奴はおらん!」などと、ヒョウヒョウと暮らしておりますので、妻に迷惑をかけていると思います。

「雪崩が起きたの…(^_^;)」

と、あきれ顔の妻も、しばしば登場します。部屋の一角に書籍山積みエリアができがちで、小生は意識してソ~っと脇を通りますから大丈夫なのですが、いかんせん20~30冊単位で注文するものですから、山はうず高くなりこそすれ、沈下することはありません。妻が横を通ると、しばしば雪崩るそうです。言い訳不可能なほどに、申し訳ないです。

正邪善悪をひけらかさず、あるがまま、なすがままを尊重し、秘かに裏方に徹してくれている妻。小生は妻が支えてくれているからこそ、後顧の憂いなく、好き放題仕事できるのだと思います。

小生ごときに、過ぎたる妻です。いつの日か心ゆくまで、今日までの尽きることなかった労苦を癒してあげたいと、切に感じております。

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学園前教室・杉浦

春講日記(その16)-久方の光のどけき-

入試合格までと打って変わって、適度にサボりつつ入学式を迎えようとする狡猾な若者へ。

「勘違いしてはいけません。何のために入試があったのでしょうか。入試を課された皆さんは、それはそれは大変な思いをして、合格を克ち取ったことでしょう。しかしながら一方で、それと同じくらい大変な思いをして、合格者を選び出した皆さんもいらっしゃるのです。入試を課した皆さんは、入試が終わってダラケタ皆さんに、入学してほしいとは思っていません。受験しに来た、まさにあの日の真剣さを持って、まさにあの日の緊張感を持って、入学式を迎えてほしいと思っているのです。ですから再び仕切り直すことができない者は、入学しなくてよろしい。入試を課した皆さんに失礼です。潔く入学辞退なさい!」

そこまで厳しく言わなくとも、良いじゃありませんか、まだまだ祝賀ムード満喫で、始まってみりゃあ何とかなるさと、甘い見通し100%の困ったちゃんへ。

「残念ながら、何ともなりませんでしょう。やる気があれば、少しくらい学力が低かろうともカバーできます。やる気がないところに、幾百万のハウツーを並べ立てても、結局できるようにはなりません。勉強はやる気に始まりやる気に終わります。本当に大事なことを、見失ってはいけません。無理をしろと言っているのではありません。受験を通して普通に獲得できた教訓を、簡単に忘れないように!と言っているのです。今からでも遅くありません。心がけから原状復帰なさい。」

ほんのちょっとサボるつもりが、急降下爆撃機になって驚いている方、入試直前の頑張りを、遠い昔の地獄話としか思い出せない方、そもそも思考停止の仮死状態にある方…気づいた時が、直し時です。

小生の言葉を、少しでも厳しいと感じた方…何はなくとも、自らを律してください。

あれだけ厳しい入試を乗り切ってきた皆さんです。やれば必ずできるにちがいありません。今日もがんばりましょう!

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学園前教室・杉浦

春講日記(その15)-久方の光のどけき-

「汚れっちまった悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れっちまった悲しみに 今日も風さえ吹きすぎる」

いつもブツブツ言っていた友人がいました。いつもこんなことを言われました。

「杉浦ぁ、野菜食べろよぉ~♪」

中原中也の数倍、奇妙な節回しでした。ガリガリに痩せていた彼に、思わず忠告しました。

「おまえもなぁ、肉食べろよぉ~♪」

いつのまにか節回しが伝染していました。

高橋和己の『黄昏の橋』を「読め!」と言われました。

「弁天橋だろ?陰気な総括、やめえや。」

即座に返されました。

「わかっちゃいないんだよな、おまえ!」

わかっちゃいないのはどっちだ?この石頭!と、浴びせかければ殴り合いになりそうで、ぐっと飲み込みました。

最高学府の西のてっぺんにしては、不毛な会話が続いたのかもしれません。けれど何かお互いに、しゃべる喜びを感じたものです。

毎年春先だけ元気だった彼が、夏秋冬とどんどん弱り、いつのまにか春先にも会えなくなって、風のうわさに神に召されたと聞きました。

お互い不毛に若かった二人が、沈みかけた上弦の月を見ながら、ホワイトのお湯割りと焼きスルメで語り合ってから、25年が過ぎ去りました。

『黄昏の橋』、今も小生の本棚に、大きな顔をして並んでおります。

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